近視進行抑制(オルソケラトロジー治療)
オルソケラトロジーとは
睡眠中に近視矯正、朝から裸眼でくっきりとした視界に
特殊なコンタクトレンズを就寝中に装用し、角膜の形状を矯正させることで、日中は裸眼で過ごすことができるようになる近視矯正法です。
最近ではお子様の近視進行抑制効果としても注目されております。国内外の研究で未成年への安全性・有効性が確認されたことから、2017年12月オルソケラトロジーのガイドラインの見直しが行われ、適応対象年齢の制限がなくなりました。
オルソケラトロジーの仕組み
角膜に近視や乱視がある場合、光は網膜より手前で焦点を結ぶため、ピントがうまく合わずにぼやけて見えてしまいます。
レンズを装着して就寝することで睡眠中に角膜の形状が矯正され、網膜上に焦点を結ぶようになります。
レンズをはずしても角膜は一定時間その形をしばらく保つ性質があるため、日中の裸眼視力が向上します。
こんな方におすすめします
・日中にコンタクトレンズや眼鏡をつけたくない方
・裸眼でスポーツを楽しみたい方
・レーシックなどの手術に抵抗がある方
・お子様の近視の進行をできるだけ抑えたい方
※近視進行抑制のための目薬:低濃度アトロピン(品名:マイオピン)と併用することもできます。併用することで、より高い近視進行抑制効果が期待されています。
適している方
・近視度数が-1.0D〜-5.0D程度の方
・近視・乱視の屈折度数が安定している方
・目の病気(角膜疾患、緑内障、ぶどう膜炎、網膜疾患、弱視など)がない方
適さない方
・強度近視・乱視の方
・LASIK等の外科的手術を受けておられる方
・十分な睡眠を取ることができない方(矯正の効果を得るためには、1日6時間以上の睡眠が必要とされています。)
・定期検査に通えない方
他の矯正方法との比較
長所
- 眼鏡
・手軽にかけたりはずしたりできる
・手入れが簡単である
- コンタクトレンズ
・強い近視や乱視・遠視でも矯正できる
・容姿に影響を与えずに使える
- オルソケラトロジーレンズ
・日中は裸眼で過ごせる
・中止すれば2週間程度で元の角膜形状に戻る
- レーシック
・ 常に裸眼で過ごせる
・ ケアの手間や追加費用がかからない
短所
- 眼鏡
・激しい運動には不向き
・レンズがくもったり、視野が狭くなったりする
- コンタクトレンズ
・眼鏡に比べると手軽にはつけはずしできない
・ゴーグルなしで水泳には使えない
- オルソケラトロジーレンズ
・夜間に継続してレンズを装用しなくてはならない
・強度近視や乱視・遠視は矯正できない
- レーシック
・外科手術が必要で、元の角膜形状には戻せない
・18歳以上でないと手術を、受けられない
※上記は一例です。
治療の流れ
1.適応検査&トライアル装用 ※予約制
オルソケラトロジーレンズの装用に適しているか、近視の度合いや眼の健康状態を調べます。検査で問題がなければ、トライアルレンズで装用体験をしていただきます。
※予約枠が限られますので、お電話にてご予約ください。
2.お試し装用(約1か月間)
オーダーメイドの専用レンズを作成し、装用を開始します。
治療の継続をご希望されるか決めていただきます。
3.治療の継続(本治療)
お試し装用で満足いただけて治療を継続される場合、本治療へと進みます。
4.定期検査
治療を継続されている間は、3か月ごとに定期検査の受診が必要です。
治療の費用
※オルソケラトロジー用レンズは厚生労働省に認可されていますので、患者さんの眼に挿入することは国で認められています。しかし健康保険では取り扱いされておりませんので、健康保険適応外になります。検査・治療は自由診療(全額自費)となります。表記はすべて税込価格です。
- 1.適応検査&トライアル装用
11,000円
- 2.お試し装用*1.2【1週間】
両眼 55,000円
片眼 27,500円
- 3.治療継続費*3【初年度】
両眼 110,000円
片眼 55,000円
*1 お試し開始から1か月以内に中止の場合は、33,000円(片眼16,500円)を返金いたします。治療を継続されない場合、専用レンズは返却いただきます。
*2 お試し装用の費用には、お試し期間中(装用開始翌日、1週間後、2週間後、1か月後)の検査・診察代と初回ケア用品を含みます。
*3 治療継続費には、1年間の定期検査・診察代、定期交換するレンズ保存ケース、下記保証を含みます。
保証内容
・3か月以内のレンズ度数交換(片眼につき1回ずつ)は無償です。
・1年以内のレンズ破損交換(片眼につき1回)は無償です。
その他の費用
- 2年目以降の定期検査代*4
13,200円/1年
- レンズの紛失・破損・更新*5
33,000円/1枚
*4 2年目以降は3か月毎に定期検査の受診が必要です。
*5 最長でも2年毎の交換になります。その際はレンズ代金が発生いたします。
注意事項等
※本治療は自由診療ですが、確定申告時に「医療費控除」の申請が可能ですので、年間10万円を越した費用は補助が得られます。医療費の控除は、かかった医療費から10万円(所得が200万円以下の場合、所得の5%)を差し引いた残りの1割が税金から還元されます。ただし、ケア用品等は控除の対象となりません。当院発行の領収書は大切に保管してください。紛失されても、再発行いたしかねますのでご注意ください。詳しくは下記、国税庁による回答ページをご覧ください。
→オルソケラトロジー(角膜矯正療法)による近視治療に係る費用の医療費控除
※通常のハードコンタクトレンズと同様にレンズの洗浄が十分でない場合やレンズが清潔に保たれていない場合、角膜感染症を引き起こす可能性があります。
※治療の継続をご希望されても、眼の健康状態によっては治療を続けられない場合があります。
※本治療中に、眼の治療が必要となる場合があります。その場合の費用は別途必要となります。
オルソケラトロジー治療が原因であるものは自費、そうでないものは保険での診療費になります。
※治療を中止される場合はレンズを返却いただきます。レンズを返却いただいた日を以て治療の中止日といたします。電話、メール等での解約手続きはお受けできません。