眼瞼腫瘍(めばちこ、ものもらい、悪性腫瘍など)
眼瞼腫瘍について
まぶたはさまざまな腫瘍ができやすい部位です。見た目や症状があまり変わりなくても原因や治療法が全く異なるものもあります。
良性腫瘍
- 麦粒腫(ばくりゅうしゅ)(ものもらい)
まぶたにある脂腺や汗腺が細菌に感染して腫れたものであり、抗菌薬の点眼や軟膏、内服で治療を行います。
- 霰粒腫(さんりゅうしゅ)
マイボーム腺という脂腺に脂質が溜まって炎症を起こした状態をいいます。炎症が原因ですので、ステロイド点眼薬や軟膏、重症の時は、溜まった脂質を掻き出すために局所麻酔を使用した手術が必要になります。
- 脂漏性角化症
加齢が原因となった良性腫瘍で、手術で切除可能です。
- 母斑(ほくろ)
生まれつきのものと、加齢によって現れるものがあります。メラニン色素を含むメラノサイトという細胞が皮膚に集まってできる腫瘍です。手術やレーザーによって治療し、併用することもあります。
悪性腫瘍
- 基底細胞癌
基底細胞という表皮を構成する細胞が増殖した腫瘍で、まぶたに発生する悪性腫瘍では最も多くなっていますが、遠隔転移が稀ですので、悪性度は比較的低いとされています。手術で全切開し、必要な場合は放射線治療を併用します。
- 扁平上皮癌
表皮の角化細胞から発生し、発育が早く進行するリンパ節・遠隔臓器に転移する悪性度が高い腫瘍です。手術による切除は転移がない場合に行い、転移があれば化学療法や放射線療法を併用することになります。
- 脂腺癌
Moll腺やZeis腺というまぶたにある皮脂腺から発生します。脂漏性角化症に似ていますが、成長速度が速いことが特徴になっています。リンパ節に転移しやすい傾向があり、悪性度の高い腫瘍です。治療では周囲の皮膚を含めて全て切除し、まぶたの再建手術も行います。放射線治療を併用する場合もあります。
- メルケル細胞癌
メルケル細胞は、皮膚の感覚をつかさどっている細胞で、メルケル細胞癌の特徴は、盛り上がりと赤さです。徐々に大きくなり、リンパ節に転移しやすい悪性度が高い腫瘍です。